実践
同じ名前の店が三軒 — 東京で違う店に入らないために
地図で名前を見て訪ねたら、別会社だったということが実際にある。
東京の古い店には同じ名前を使う店が複数あることがある。商標をめぐる争いや分家、暖簾分けの結果だ。厄介なのは、旅行者が地図だけを見て行くと別の店に入ってしまう点である。
麻布十番の「更科」三軒
総本家 更科堀井 麻布十番本店の近くには徒歩5分以内に「更科」という名の蕎麦屋が三軒ある。しかもそれぞれ別の会社だ。
名前が同じでも同じ店ではない。戦後の商標をめぐる争いと調停を経て系譜が分かれ、いまはそれぞれ独立した店として営業している。味も値段も違う。
対応 — 行き先を決めたら正確な屋号を最後まで地図に入力し、着いたら看板の文字をもう一度確かめる。「更科」までを見て入ってはいけない。
「今半」という名の店が三軒
今半 本店も同じだ。「今半」を使う店が三軒ある。
「今」の字には由来がある。1895年当時、関東で唯一の官許屠場が今里町にあり、そこから仕入れる店が屋号に「今」を入れた。「半」は創業者・相沢半太郎から来ている。
つまり名前が重なるのは偶然ではなく、同じ根から分かれた痕跡である。
本店と支店で休みが違う
尾張屋 本店は名前が重なる話ではないが、本店と支店が別にあり、休業日が異なる。本店が休む日に支店は開いていることがあり、その逆もある。
検索結果に「本日休業」と出ても、もう一方は営業しているかもしれないということだ。
まとめ
- 老舗を訪ねるときは屋号を最後まで確認する — 「本店」「総本家」が付くには理由がある
- 着いたら看板の文字をもう一度見る
- 休業日は本店・支店を区別して確かめる
- 当サイトでは、確認できた店に正確な屋号を記している
名前が重なるのは、その店がそれだけ古いという証でもある。知って行けば、かえって面白い部分だ。