コース
立石で飲む順番が決まっている理由
葛飾区立石。三軒をどの順で回るかが、この町の決まりだ。
東京で最も早い時間から酒場が開く町を挙げるなら立石が出てくる。京成立石駅前、まだ日の高い午後にはもう席が埋まりはじめる。
ここで大事なのはどの店に行くかではなくどの順で回るかだ。三軒の決まりがそれぞれ違い、その決まりが順番を決めている。
一軒目 — もつやき。飲んで来た人は入れない
宇ち多゛
葛飾区
メニューは「もつやき」の四文字だけ。部位と調理法を組み合わせて言う。
この店の第一の決まりは入口で効く。すでに飲んで来た人は入れない。だから立石ではここが必ず一軒目になる。順番が決まりから生まれている。
お品書きには「もつやき」の四文字だけ。注文は部位+調理法を組み合わせて言う。「一つずつ」とだけ言えば、自動で煮込んだものが出る。
会計も独特だ。席で済ませ、飲んだ杯数は自己申告。開店直後か夕方遅くかで、食べられる部位が変わる。
二軒目 — 立ち食い寿司
栄寿司
葛飾区
箸がない。手で取る。表示価格は一貫だが、出てくるのは二貫。
もつやきの次にここへ来るのがこの町の順番だ。立って食べ、箸を使わず手で取る。
値段を見るときに注意がいる。表示は一貫の値で、実際は二貫出てくる。会計で慌てないためには知っておくほうがよい。
三軒目 — おでんとワイン
おでん二毛作
葛飾区
14時開店。おでんに自然派ワインを合わせる。
14時に開き、土曜は正午から。おでんに自然派ワインを合わせる発想がこの店のものだ。前の二軒と性格がまるで違うので、締めに向いている。
同じ町、別の決まり
鳥房
葛飾区
若鶏半身の唐揚げ。解体の仕方は一組に一度だけ教わる。
立石には若鶏半身の唐揚げで知られる店もある。ここも飲んで来たら入れない。値は時価なので重さごとの価格を一度で聞き取る必要があり、解体の仕方は一組に一度だけ教わる。
まとめると
- 素面で始めること — 二軒が飲酒後の入店を断る
- もつやき → 立ち食い寿司 → おでん が地元の流れ
- 現金を用意すること
- 昼過ぎから始まる町だ。夜に行くともう遅い
営業時間と休みは変わることがある。訪問前の確認をおすすめする。