日本人には常識、旅行者は知らないこと
ガイドブックに載らない理由は単純だ。地元にとって当たり前すぎて、説明する必要がないからである。
複製品ではあるが、この二つは日本で唯一の展示資料だ。江戸時代の刑罰とヨーロッパ17〜18世紀の刑罰を対比させるため、1929年の開館時に併せて制作された。今造ろうとすれば数百万円は下らないという精巧な仕上がりだ。
拷問・刑罰の器具は歴史資料として残される性質のものではなく、実物が手に入らなかった。そこで江戸後期に編纂された町奉行の秘密書『刑罪大秘録』の詳細な記述をもとに模型として復元した。1929年に制作されたその模型が、今も展示され続けている。
初代館長は法学部の大谷美隆教授。当時この大学の法学部は「刑罰は受刑者に対する教育を第一とする」という教育刑の理論を掲げており、残虐で前近代的な刑罰がその理念に反することを学生に批判的に理解させることが、博物館の存在意義だった。
大学の施設なので日曜と祝日は休館で、夏季・冬季の休業期間もある。平日は17時までだが、土曜は16時に閉まる。見学の所要時間は、早足なら30分から1時間ほど。
地下2階の展示室は商品・刑事・考古の三部門に分かれる。商品部門は漆器・染織品・陶磁器といった伝統工芸の製造工程を、考古部門はこの大学の発掘成果を公開している。日本で最初に発見された旧石器時代の遺跡、群馬県の岩宿遺跡の出土品もここにある。
どんな場所か
大学キャンパスの地下にある無料の博物館。商品・刑事・考古の三部門に分かれるが、知られているのは刑事部門だ。1929年に「明治大学刑事博物館」として開設された。建学の理念「権利自由」にもとづき、刑罰と人権抑圧の歴史を資料として残す目的だった。江戸時代の捕者具、拷問・刑罰具が展示されている。
何を頼むか
地元で愛される理由
展示物の多くは、江戸後期の町奉行による秘密書『刑罪大秘録』をもとに1929年に制作された復元模型だ。90年を経た今も同じ模型が展示されている。年間およそ10万人が訪れる。